寺町計算言語

計算の話や言語の話もするかも。多少は。※個人の見解であり、所属する組織の公式見解ではありません

国道沿いの風景


写真は唐津街道の某所 (2015 年 9 月 20 日撮影)。

小さい頃は郊外の駅の近くに住んでいて、電車一本で街に出ることができました。その後駅から遠く離れた場所に引っ越し、大学に入るまでの 7 年間を過ごしました。おかげですっかり車社会が嫌いになりました。これが私が今でも車を持っていない理由の一つかもしれません。反対に京都が気に入って長居してしまったのも、車なしに完結する街という点が効いていそうです。で、福岡の西の端に引っ越してきて見たのがこれです。まさに私が滅ぼしたいと思っている風景です。

思い返せば、昔短期滞在していたシリコンバレーも何もない退屈な郊外でした。もちろん、ここまで猥雑ではありませんが。ベビーブーマーが好き好んでそんな田舎に住んでいたことは、今から考えると理解に苦しむところです。言っておきますが、こう感じたのは何も私だけではありません。こんな退屈な町には住めないと言って、会社が提供するバスでわざわざサンフランシスコから通勤している同業者がいました。もっとも、そういう意見を直に聞いたのは、ドイツ人とロシア人であって、生まれながらのアメリカ人のサンプルは採取しそこねました。とはいえ、都会からの通勤バスが列をなして走っていたことと考えると、私に似た考えを持つ人間がアメリカでもそれなりの勢力を占めていそうです。

河源と分水嶺


川と流域地図 (暫定公開ページ) の存在を知りました。そのすばらしさをわかちあうために紹介します。

国土数値情報 流域メッシュデータを利用しているとのことです。TODO を見ると、いろいろ工夫しているようです。

最近訪れたところだと、筑後川水系大分県に、江の川水系広島県に食い込んでいるのが再確認できます。行ったことのないところだと、四国の吉野川の流域が想像していた以上に広くて、愛媛県にまで及んでいるのを知りました。現地で確認してみたくなります。

欲を言うと、分水嶺の標高が可視化されているとなおうれしいです。いま提供されているデータから簡単に作れるかはわかりません。

これも前から思っていたのですが、令制国 (できれば郡も) の境界を重ねあわせた地図も欲しいです。正確な数値情報を得るのはいかにも難しそうですが。

写真は肥薩線大畑・矢岳間 (2015 年 3 月 28 日撮影)。スイッチバックループ線の組み合わせです。過疎も行き着くところまで行くと、行き違いの必要すらなくなるようです。


いま住んでいる場所は、騒音の面で微妙です。前に住んでいた京都の家のまわりは昼夜を問わず静かだったので、余計にそう思うのかもしれません。いざとなれば簡単に逃げ出せるのが賃貸の良いところです。とはいえ、引っ越すほどではありません。

夜中の 1 時を過ぎてから外で騒ぐ連中がたまに出没します。シベリア送りにしたいところです。朝は朝で 7 時くらいから工事が始まります。

特筆すべきは、いわゆる珍走団が出現することがあることです。古俗は縁辺部に残ると言いますが、21 世紀になって 10 年以上経っても観測できる (目で見たわけではありませんが) とは思ってもいませんでした。

写真は八代駅 (2015 年 3 月 28 日撮影)。駅の裏に製紙工場があって妙な圧迫感があります。

九州で2年暮らして


何が起きたかというと、中国が意外と良いことに気づきました。

中国地方が出てくるのは、福岡と実家のある神戸の間に位置するからです。往復に最初は山陽新幹線を使っていましたがすぐに飽きました。トンネルだらけですし。これは以前にも書きました。

そこで、18切符を使って寄り道することにしました。画像は乗り潰した JR 路線です。乗りつぶしオンラインで生成しました。あくまで帰省のついでなので、採れる経路は限られています。備後落合・新見間のように朝晩しか運行していない区間には行っていません。追記: いま確認すると朝昼晩の3便でした。

資源分配問題


ふと思い出したことを忘れないうちに書き残しておきます。

世の中にあふれる情報が、自分の時間、気力の限界と比較して多すぎることは人生の早い段階から明らかでした。人生は短く、やりたいことですら、優先順位をつけて選択肢なければなりません。ましてやどうでも良い情報に時間や気力を割くのは無駄です。ですので、ある種の情報が自分に関係のないと判断すると、それ以降はその情報はまるごと遮断して生きてきました。フィルタリングに失敗して、必要な情報を逃していることも結構あるのではないかと推測します。それにあとで気付くこともたまにあります。

それは2013 年の年の暮れのことでした。その年の 9 月にオリンピックの東京開催で決まりました。もちろん、オリンピック関連情報は自動的にフィルタリング対象になりました。スポーツで、かつ東京です。自分に関係することは何もないように思えました。自分にとってどうでも良いことに自分の払った税金の一部が使われるという点を除いては。そうしてオリンピック関連情報を自然と遮断しながら数ヶ月過ごしてきました。ところが、とある企業研究者が飲み会の席で言うわけです。オリンピックがあるから、しばらく機械翻訳特需が続くと。オリンピックと機械翻訳を結びつける言説は今でこそ業界内で頻繁に耳にしますが、私が聞いたのはこれが最初でした。自分にその発想が微塵もなかったことに危機感を覚えました。

写真は今津の元寇防塁跡 (2014 年 8 月 30 日撮影)。埋まっています。