寺町計算言語

計算の話や言語の話もするかも。多少は。※個人の見解であり、所属する組織の公式見解ではありません

IJCNLP2017


いまさらですが IJCNLP2017 の報告です。2017 年 11 月末から 12 月はじめにかけて台北で開催されました。会場の南港展覧館は台北市内の東の端でした。官製の箱物ということで日本と似た匂いがしました。大阪の COLING と同じく、昼は弁当を配布する方式でした。コーヒーばかりでお茶が出てこなかったのが残念でした。中華圏なのに。

IJCNLP についてはこの日記でも 2013 年名古屋開催のときに言及しました。*1IJCNLP は 3rd tier の会議で、現状では喜んで投稿するところではありません。今回も、主要会議の後に投稿日が設定されていて、それらに落ちた論文を拾い集める意図が見え隠れしていました。似た名前の IJCAI が良い会議なので、その連想から、分野外の人からは良い会議のように誤解されることがあるようです。

自分の論文も、投稿したのは年度内に成仏させるためでした。予算の都合で。*2本当は問題発見編と問題解決編に分けたかったのですが、問題発見編だけの論文を査読者が拒絶したので仕方なく合体させました。無理がたたって補助資料が 6 ページになってしまいました。

一般発表で特に印象に残ったものはありません。招待講演では、Rada Mihalcea が、この世界や、この世界についての人間の認識と、書かれたものとの対応について、思った以上にナイーブな議論をしていて驚きました。言語処理のようにすべてが雑な分野だから許されているのでしょう。出るところに出たらしばき倒されそうです。

写真は松山駅 (2017年11月30日撮影)。

*1:どうもその頃は気分が荒んでいたようです

*2:さいわい次の予算も採択されて、研究は継続できています。