寺町計算言語

計算の話や言語の話もするかも。多少は。※個人の見解であり、所属する組織の公式見解ではありません

クレタ人

プレゼンテーションはあいかわらず苦手です。いまの職場で言われてきた忠告は、相手の立場を考えろというものです。これが難しいわけです。おそらくですが、私の頭の中にある他人のモデルが大雑把すぎます。私が興味のないことに興味を持っていて、私が興味…

修行僧のような生活

年をとると、自分が何気なく放った言葉を若い人が深刻に捉える場面が増えてくるので発言に気をつけたほうが良いという忠告を何度か受けたことがあります。大事かはともかくとして、私が以前言ったと学生さんに指摘されたけど、私自身はまったく記憶にないと…

生存報告

昨年は結局一度も日記を更新することなく終わってしまいました。生存報告でもしておきましょう。昨年11月1日付で講師に昇任しました。給料はほとんど変わらず、校務だけが激増すると脅されています。実際、既に重たい業務の話がぼちぼち来ています。昨年は、…

人間を非人間的に扱いたい

前回投稿から半年以上あいてしまいました。たまには生存報告をしておきます。昨年度末、というか先月までは目の回る忙しさでした。その原因の一つがデジタルアーカイブ学会です。京大開催ということで現地運営をやっていました。学会運営が大変という話はこ…

多様性

多様性 (diversity) という言葉の使われ方には問題があるのではないかという話をします。たぶんそんなに危険ではありません。多様性を「ある系の中でのある観点におけるばらつきの度合い」と定義しても、それほど外していないと思います。生物多様性 (biodiv…

どこにでもあってどこにもない

私は情報学研究科という組織に所属していて、情報学という分野の一部をやっていることになっています。この情報学の位置づけについては、学部生の頃からいまにいたるまで、いろんな人から大きく 2 通りの説明を聞いてきました。1 つは、すべての学問分野にお…

対人関係処理の外部化

ネタです。私も現代人の一人として、記憶の外部化を行ってきました。もはや無文字社会がどんなものだったか想像もつきません。予定の管理も計算機に任せっきりです。PC を開いていないと、その日自分が何をすることになっているのか、何もわかりません。普段…

IJCNLP2017

いまさらですが IJCNLP2017 の報告です。2017 年 11 月末から 12 月はじめにかけて台北で開催されました。会場の南港展覧館は台北市内の東の端でした。官製の箱物ということで日本と似た匂いがしました。大阪の COLING と同じく、昼は弁当を配布する方式でし…

電子ペーパー

最近ソニーの電子ペーパー DPT-RP1を買いました。これが結構使えるという話をします。昨年度の同じ時期に同種の DPT-S1 を買おうとしたら生産中止で断念しました。今年度後期になって、同じ演習を担当している同僚におすすめされました。それで思い出して、…

部族主義

米国の状況を指して部族主義 (tribalism) と形容するのを目にします。これが気に入らないという話をします。tribalism は、社会の一部しか覆わない小集団に帰属意識を持つというような否定的な意味合いで使われています。まず不思議なのは、なぜ「部族」なの…

垂れ流し芸

現実逃避です。ネタ切れのこの日記の再利用を考えてみます。自由に使える時間がどんどん減っていくなかで、この先どうやって生きていくかを考えています。一つ考えているのが、文章生成の高速化です。真面目な文章を真面目に推敲するのは良いのですが、それ…

冷夏?

「今年の日本は冷夏」という悪い冗談を聞きました。先週東京に出張した際にはそんな感じはしなかったのですが。Google Trends で「冷夏」を調べると、東日本でそう言われているのが確認できます (画像は本日のスクリーンショット)。interest が宮城県の 100 …

有線通信工学講座

坂井利之先生が今月亡くなったという知らせがありました。私は一応。坂井先生からすると曾孫弟子ということになるはずです。それ自体は別に驚くことではありません。国内の情報系の主要研究者の何割が私と同様の立場にあるのかわからないほどです。お会いし…

沈黙

たまには時事ネタを見てみましょう。取り上げるのは流出した G 社の内部メモ (以下 Damore メモ) です。危険な話題です。慎重にいきましょう、と言いたいところですが、ヘッジしまくると日記の分量では収まらなくなります。要点だけを書きます。やはり危険な…

人間的

すっかりネタ切れのこの日記ですが、趣向を変えて negative result を載せてみます。先月のことです。とある文章の中で以下の記述を見つけました。 服部氏のいう「人間的」はかなりネガティブな表現ですね。たしかご子息がその語の解説をしたかとおもいます1…

2016年

2016年を振り返ってみます。大急ぎで書きます。こういうのはその年のうちに書いておかないと格好がつかないので。ついでなので2017年の目標も書きます。これは年が明けてからの方が良いのでしょうけれど。まず、どうにかこうにか生き残っています。去年の大…

NAACL2016

忘れた頃にもう一つ国際会議の報告です。6月に NAACL 2016 という会議に出かけて発表してきました。NAACL という会議は、ACL、EMNLP と並んで、一応 first tier ということになっています。私の論文は聞く人がいるとは思えない趣味ネタでしたが、どういうわ…

LREC2016

京都についてはいまさら書くこともありません。代わりに国際会議の報告でも書くことにします。5 月に LREC2016 という会議に参加して来ました。LREC は Language Resources and Evaluation Conference の略で、その名の通り、言語資源作成や評価方法を扱う会…

通り

通りを人が普通に歩いているのを見ると、町だなあと感じるようになりました。当たり前のことを言っているようですが、田舎では人は歩いて移動しないものです。それを思い出しただけでも、得るものがあったと言えるでしょう。もちろん人混みは嫌いです。そう…

しんでしまうとは なさけない

4 月 1 日付けで助教になりました。特定助教から特定が取れたということです。外から見ると何が起きているのかさっぱりわからないでしょうし、私自身の理解が正確かも怪しいものです。と予防線を張りつつ解説すると、大学の運営費交付金削減が削減され続けた…

降らない日々

さて、この日記は今後どうしましょうか。慣れ親しんだ京都です。いまさら書くこともありません。京都が (住んでいる人はともかく) 良い場所であることは、皆が知っていることです。京大が良い大学であることも説明するまでもありません。困ったときは天気の…

京都ふたたび

1 月 1 日付けで古巣の京大に戻りました。職名は「特定助教」ですが、財源は大学内の謎プロジェクトです。科研費等に応募可能だったり、辞令に「工学部兼担」と書いてあったりします。昨今の大学はお金のやりくりが大変でございます。報告が遅くなってしまい…

2015年

今日で 2015 年もおしまいです。2014 年を振り返るだけで終わるものあれなので、2015 年についても何か書いてみます。SEALDs という集団がメディアに登場していたのを思い出しました。調べたら、設立されたのが今年だったので、問題なく今年の話題です。2014…

2014年

前の更新から 1 月ほどあきました。何か書いてみましょう。時期的には 2015 年を振り返るのが良さそうです。そう思って振り返ってみました。しかし、思い浮かんだ事柄の発生時期を調べてみると、ことごとく 2015 年ではなく 2014 年でした。 MH370 が行方不…

タイムスタンプ

書いた文書には日付を入れるという鉄則があります。出身研究室で学んだことの一つです。以前はその重要性を認識していませんでした。書いてから時間が経つと、文書は陳腐化しますし、書いた当時の記憶も薄れます。そうしたとき、日付が手がかりとして役立ち…

質屋

福岡ではやたら質屋が目立つ気がします。この印象が数値によって裏付けられるか調べてみました。結論としてはそうでもないようです。質屋の都道府県別件数 (電話帳に基づく) に件数で上位の 10 都道府県が載っています。単なる件数だと、人口が多い地域で多…

国道沿いの風景

写真は唐津街道の某所 (2015 年 9 月 20 日撮影)。小さい頃は郊外の駅の近くに住んでいて、電車一本で街に出ることができました。その後駅から遠く離れた場所に引っ越し、大学に入るまでの 7 年間を過ごしました。おかげですっかり車社会が嫌いになりました…

河源と分水嶺

川と流域地図 (暫定公開ページ) の存在を知りました。そのすばらしさをわかちあうために紹介します。国土数値情報 流域メッシュデータを利用しているとのことです。TODO を見ると、いろいろ工夫しているようです。最近訪れたところだと、筑後川水系が大分県…

いま住んでいる場所は、騒音の面で微妙です。前に住んでいた京都の家のまわりは昼夜を問わず静かだったので、余計にそう思うのかもしれません。いざとなれば簡単に逃げ出せるのが賃貸の良いところです。とはいえ、引っ越すほどではありません。夜中の 1 時を…

九州で2年暮らして

何が起きたかというと、中国が意外と良いことに気づきました。中国地方が出てくるのは、福岡と実家のある神戸の間に位置するからです。往復に最初は山陽新幹線を使っていましたがすぐに飽きました。トンネルだらけですし。これは以前にも書きました。そこで…